AK2カッター工法(既存場所打ち杭水平切断工法)
特許第4106374号 AK2カッター工法に係る特許
特許第3683229号 AKカッター工法に係る特許
概要
全周回転機の大きな回転トルクを利用して、地中にある既存場所打ち杭を安全な長さ、重量で取り出せるように水平に切断する工法です。
ファーストケージングの内側に装着した傾斜スライドレールと水平刃が、ロッドを介して油圧により丈上下動させることで、水平刃が既存杭にくい込み、ケーシングが回転することで既存場所打ち杭の鉄筋を切断します。
その後、ケーシングと既存場所打ち杭の隙間にセリ矢を落とし込み、ケーシングと既存場所打ち杭を間接的であるが一体化させ、その状態で全周回転機が回転することで、既存場所打ち杭にせん断力が起こり、コンクリート面を切断します。切断後は、従来通りハンマーグラブにより掴み出し、一連の作業を繰り返し行うことで既存場所打ち杭の全長を地中から取り出します。
- 適応杭径Φ1400~Φ1500
特長
- 既存杭を自由な位置で切断できる
- チゼル落下に伴う振動、騒音はない
- 安全な重量で杭塊を取り出せる
- 他の工法に比べ、施工が安全である

施工の流れ
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1.杭芯に設置した全周回転機により、ケーシングを計画深度まで回転圧入する。
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2.ケーシング上部に油圧ユニットを取り付け、水平切断刃にロッドを接続、リモコン操作で油圧ユニットを作動し、水平切断刃を移動させながらケーシングを回転させる。
3.同時にケーシングを引き上げながら、杭体の主筋を切断する。
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4.水平刃を元の位置に戻した後に、上部の油圧ユニットを取り外し、セリ矢により杭を切断する。
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5.ハンマーグラブをケーシング内に挿入し、切断された杭体を引き上げる。
6.以降1~5を繰り返す。
AK2カッター工法 仕様
機種 | 規格 | 単位 | 数量 |
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全周回転掘削機 | Φ2000型 | 台 | 1 |
クローラクレーン | 100t吊り | 台 | 1 |
AK2油圧装置 | Φ2.0 x 3.9m 重さ 6.6t | 台 | 1 |
AK2ケーシングチューブ | Φ2.0 x 3.0m 重さ 5.3t | 個 | 必要量 |
AK2ファーストチューブ | Φ2.0m x 4.0m 重さ 11.0t | 個 | 1 |
ハンマーグラブ | Φ1800用 | 個 | 1 |
セリ矢 | 個 | 1 | |
バックホウ | 山積0.45㎡(平積0.35㎡) | 台 | 1 |
装置について
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水平切断刃
水平切断刃を上下するための油圧シリンダーを配置した構造である。
AKカッター
杭径がΦ1,000mm、Φ1,200mmにおいては、油圧ユニットを伴わない水平切断刃が固定式のタイプがある。
水平切断を従来のオールケーシング工法の機材に下記AKカッターを取りつけることで、容易に対応ができる。